デッサンの鉛筆の濃さで順番を初心者向けに解説

絵の描き方

デッサンを始めると、鉛筆は何本くらい必要なのか、濃さの順番はどう覚えればよいのか、最初にどの硬度から使えばよいのかで迷いやすいものです。

とくにデッサンの鉛筆の濃さで順番を知りたい人にとっては、BやHの違いが分かっても、実際の描き順まで整理できていないことが少なくありません。

この記事では、鉛筆の濃い順と薄い順の見方、B系とH系の役割、初心者が揃えやすい硬度の目安、描き始めから仕上げまでの使い分けをまとめて解説します。

濃い鉛筆を先に使う理由や、筆圧を上げすぎずに暗部を作る考え方も分かるので、デッサンの基礎をすっきり整理したい人に役立ちます。

 

デッサン鉛筆の濃い順と薄い順の基本
B系とH系をどう使い分けるか
初心者が揃えやすい硬度の目安
描き始めから仕上げまでの順番

デッサンの鉛筆の濃さ順番を理解する基本

  • デッサン鉛筆の硬度記号の意味
  • 濃い順と薄い順の見方
  • B系とH系の特徴を比較
  • 初心者向けの揃え方の目安
  • 描き始めに使う鉛筆の選び方

デッサン鉛筆の硬度記号の意味

デッサン鉛筆の濃さを理解する入口になるのが、軸に表示された硬度記号です。一般的な鉛筆では、Hは硬い、Bは黒く柔らかい、HBはその中間、Fはややしっかりした中間硬度として扱われます。三菱鉛筆の公式案内でも、ハイユニは10Hから10Bまでの22硬度があり、硬度の違いによって表現の幅を広げられると案内されています。

覚え方はシンプルで、H側へ進むほど芯が硬くなり、色は薄くなります。反対にB側へ進むほど芯は柔らかくなり、黒さが出やすくなります。FはHとHBの近くに位置する中間硬度で、輪郭や軽い形取りにも使いやすい位置づけです。こうした基本を押さえるだけでも、鉛筆選びの迷いはかなり減ります。

見分けやすいように、主要な記号の意味を表で整理します。

記号 特徴 向いている場面
H 硬くて薄い 明るい部分 細部 形の整理
F 中間でやや硬め 輪郭 軽い下描き
HB 中間 万能 基準づくり
B やや柔らかく濃い 陰影 中間調
2B以上 柔らかく濃い 暗部 強い陰影

デッサンでは、単に濃い鉛筆を使えばよいわけではありません。硬度記号を理解して、場面ごとに選び分けることが、自然な明暗と質感を作る近道になります。

濃い順と薄い順の見方

デッサン鉛筆の濃さ順番は、濃い側から見るか、薄い側から見るかで覚え方が変わります。濃い順で並べるなら、おおまかには6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6Hという流れです。薄い順で見れば、この逆方向になります。三菱鉛筆の公式Q&Aでは、ハイユニは10Hから10Bまで22種類あるとされ、硬度の幅が非常に広いことが分かります。

初心者は、すべての硬度を一度に暗記しようとしなくても大丈夫です。まずはHBを基準にして、B側へ行くほど濃い、H側へ行くほど薄いと理解すれば十分です。そのうえで、2Bはしっかり黒が出る、2Hはかなり薄いというように、よく使う硬度から感覚で覚えると整理しやすくなります。

以下の表のように、順番を帯のように捉えると把握しやすくなります。

見方 並び方
濃い順 6B → 4B → 2B → B → HB → F → H → 2H → 4H → 6H
薄い順 6H → 4H → 2H → H → F → HB → B → 2B → 4B → 6B

実際の制作では、使う順番と濃さの順番が完全に一致するとは限りません。ただし、濃さの地図を頭に入れておくと、いま使っている鉛筆が全体のどの位置にあるのか判断しやすくなります。これが、明暗の組み立てを安定させる土台になります。

B系とH系の特徴を比較

B系とH系は、単に色の濃さが違うだけではありません。描いたときの質感、紙への当たり方、修正のしやすさまで変わってきます。B系は芯が柔らかく、軽い力でも濃さを出しやすいため、暗部や陰影の立ち上げに向いています。一方で、H系は芯が硬く、細く締まった線を出しやすいので、明るい部分や細部の整理に向いています。

B系の利点は、筆圧を上げなくても黒さが出やすい点です。デッサンでは紙の表面を傷めないことが大切なので、もっと濃くしたい場面で力任せに押し込むより、より柔らかい硬度へ持ち替えるほうが自然な仕上がりになりやすくなります。反対にH系は、面を整えたり、輪郭のキワを詰めたりするのに役立ちますが、強く使いすぎると紙を削るような跡が残りやすくなります。

両者の違いを整理すると次のようになります。

系統 色の出方 質感 向く用途
B系 濃い ややざらつきやすい 陰影 暗部 描き出し
H系 薄い なめらかで締まりやすい 細部 明部 仕上げ

デッサンでは、どちらが優れているかではなく、役割が違うと考えるのが適切です。B系で空気感や大きな明暗を作り、H系で形を整えると、自然なバランスに近づきます。

初心者向けの揃え方の目安

初めてデッサン鉛筆を揃える場合、最初から全硬度を持つ必要はありません。実用面から見ると、3Hから3Bの範囲があれば基礎的なデッサンには十分対応しやすく、さらに最初の数本なら2H、HB、2B、4Bのような組み合わせが扱いやすい構成です。三菱鉛筆のハイユニは10Hから10B、ユニは9Hから6Bまで展開されており、上達に合わせて買い足しやすい点も強みです。

初心者が本数を絞るべき理由は、硬度の違いを手で覚えやすくするためです。たとえば、2BとHBと2Hだけでも、濃い・中間・薄いの差はかなり体感できます。ここで違いが分かるようになると、BやH、3Bや3Hの必要性も見えてきます。最初から本数が多すぎると、どれをどの場面で使うべきか判断しにくくなりがちです。

揃え方の目安は次の通りです。

段階 揃え方の目安
はじめの3本 2B HB 2H
最初の4本 2H HB 2B 4B
少し慣れたら 3H 2H H HB B 2B 3B

このように段階的に増やすと、鉛筆ごとの役割が理解しやすくなります。たくさん持つことよりも、少数の硬度を意識して使い分けられることのほうが、上達にはつながりやすいです。

描き始めに使う鉛筆の選び方

描き始めにどの鉛筆を使うべきかは、初心者がつまずきやすいポイントです。一般的には、いきなり極端に硬い鉛筆や極端に柔らかい鉛筆を選ぶより、HBから2Bあたり、またはFやHを含む中間硬度から入るとバランスを取りやすくなります。用途によっては2Bで大きく当たりを取り、その後にHBやHで整理する流れも自然です。

最初の形取りでは、あとから消したり直したりしやすいことが大切です。柔らかめの鉛筆は軽い力で線が出るので、紙を強く傷めにくい利点があります。一方で、最初から濃すぎる線を入れると全体が汚れて見えやすくなるため、2BやBを使う場合でも筆圧は抑えめにしたほうがまとまりやすくなります。

逆に、H系だけで描き始めると、薄くて便利に感じる反面、線を見えるようにしようとして力が入りやすくなります。その結果、紙に溝が残ったり、あとから柔らかい鉛筆を重ねても乗りにくくなることがあります。描き始めの鉛筆選びでは、消しやすさと見やすさの両立が必要です。

要するに、最初の一本は万能性で選ぶのが得策です。迷ったらHBかB、あるいは2Bを基準にして、対象の明暗や紙質に応じて前後の硬度へ移る考え方が扱いやすいでしょう。

デッサンの鉛筆の濃さ順番に沿った使い方

  • 形取りで使いやすい硬度とは
  • 陰影に合う鉛筆の選び方
  • 仕上げに向く硬めの鉛筆
  • 筆圧より硬度を変える理由
  • メーカーごとの特徴と選び方
  • デッサンの鉛筆の濃さ順番の要点まとめ

形取りで使いやすい硬度とは

形取りの段階では、線の正確さだけでなく、修正しやすさも求められます。そのため、HB、F、H、あるいは軽い2Bなどの中間付近の硬度が使いやすい傾向があります。対象の輪郭を一発で決めるというより、何度か探りながら位置や比率を合わせていくため、濃すぎず薄すぎない鉛筆が合っています。

形取りで柔らかすぎる鉛筆を使うと、線が太りやすく、輪郭が甘く見えやすくなります。反対に硬すぎる鉛筆は、細い線が引ける反面、力が入りやすく、紙への負担が増えます。とくに初心者は、線を見えるようにしようとして何度も同じ場所をなぞりがちなので、極端なH系だけで始める方法は扱いにくい場面があります。

形取りで意識したいこと

形取りは、きれいな線を描く作業というより、全体の比率を探る作業です。そのため、一本の強い線で囲うより、短い線を重ねながら位置関係を確認するほうが失敗しにくくなります。線を薄く重ねられる硬度を選ぶと、あとから修正しても画面が荒れにくくなります。

また、モチーフや用紙サイズによっても選び方は変わります。大きな紙に大きく描くなら2B寄りでも進めやすいですが、小さな画面ではHBやFのほうが整理しやすいことがあります。形取りで大切なのは、濃さよりもコントロールのしやすさです。

陰影に合う鉛筆の選び方

陰影を入れる段階では、B、2B、3Bあたりが中心になります。これらの硬度は黒さが出しやすく、明暗差をつける初期段階で扱いやすいからです。暗部を早めに作って全体のトーンを見やすくすることで、画面全体のバランスをつかみやすくなります。ステッドラーの公式案内でも、柔らかい硬度は陰影や表現の幅を広げる用途に向くと読み取れます。

陰影で失敗しやすいのは、暗くしたい部分を同じ鉛筆で何度も強くこすってしまうことです。これでは黒さよりもテカリや紙の傷みが先に出やすくなります。暗部を深めるときは、筆圧を上げるより、Bから2B、2Bから4Bというように硬度を段階的に柔らかくしていくほうが自然です。

陰影を作るときは、いきなり最暗部だけを真っ黒にせず、中間調を先に広く作るのがコツです。中間調が整うと、暗部も明部も比較しやすくなり、陰影の説得力が上がります。B系はその土台づくりに向いています。

対象が白い石膏のように明るいモチーフなら、HBやBを中心に繊細に進める方法が合います。反対に、布や木、果物の深い影を描くなら2Bや3Bが活躍しやすくなります。陰影に合う鉛筆とは、黒い鉛筆ではなく、そのモチーフに必要な明暗差を作りやすい鉛筆です。

仕上げに向く硬めの鉛筆

仕上げの段階では、Hや2Hなどの硬めの鉛筆が役立ちます。理由は、輪郭のキワや明るい面のわずかなトーン、細部の形の整理を行いやすいからです。柔らかい鉛筆だけで最後まで押し切ると、全体が黒ずみやすく、輪郭の締まりも出にくくなります。そこで、仕上げで硬めの鉛筆を入れると、画面に整理された印象が生まれます。

ただし、仕上げだからといって硬い鉛筆だけに切り替える必要はありません。実際には、B系で深い黒を維持しつつ、H系で境界や明部を整える使い方が効果的です。仕上げは一本で完結する工程ではなく、役割の異なる鉛筆を行き来しながら完成度を上げる工程と考えると分かりやすくなります。

硬めの鉛筆が活きる場面

明るい反射光、ガラスや金属のシャープな縁、石膏のなめらかな面などは、H系の繊細さが活きやすい部分です。また、柔らかい鉛筆で入れた面の上から、硬めの鉛筆で方向性を整えると、面が引き締まって見えることもあります。

一方で、強く押しつけるとせっかくの仕上げが逆効果になります。硬めの鉛筆はあくまで整えるための道具であり、黒さを無理に足す道具ではありません。細部を整える視点で使うと、完成度の差が出やすくなります。

筆圧より硬度を変える理由

デッサンで濃さを調整するとき、筆圧で無理に黒くしようとする方法は避けたいところです。紙の表面は繊維でできているため、強い圧力をかけ続けると表面が潰れたり削れたりして、その後の描き重ねがしにくくなります。さらに、黒さを出したつもりでも、実際には鉛筆特有の光沢が出て、狙ったマットな暗部にならない場合があります。

柔らかい鉛筆へ持ち替える方法なら、少ない力で黒さを足しやすく、紙面への負担も抑えられます。これは初心者ほど意識したい点です。描いているうちに、もっと濃くしたい場面は必ず出てきますが、そのたびに押し込む癖がつくと、修正の効かない画面になりやすくなります。

筆圧を上げることで起こりやすいこと

強い筆圧には、紙がへこむ、消しても跡が残る、芯の粉が不自然に光る、細部が潰れるといった問題があります。こうなると、あとからH系で整えようとしても、きれいに収まらないことがあります。

反対に、硬度を変える習慣がつくと、濃さの調整が論理的になります。HBでは足りないからBへ、Bでは足りないから2Bへというように段階的に進めることで、明暗が滑らかにつながります。濃さは力で作るのではなく、道具の選択で作るという発想が、安定したデッサンにつながります。

メーカーごとの特徴と選び方

デッサン用鉛筆を選ぶときは、硬度の順番だけでなく、メーカーごとの描き味にも注目したいところです。代表的な選択肢としては、三菱鉛筆のハイユニ、ユニ、そしてステッドラーのマルス ルモグラフが広く知られています。三菱鉛筆の公式情報では、ハイユニは10Hから10Bまでの22硬度、ユニは9Hから6Bまで展開されています。ステッドラーの公式情報では、マルス ルモグラフは滑らかな階調と高い耐久性が特長として案内されています。

ハイユニは幅広い硬度と滑らかな描き味が魅力で、最初からじっくり使い分けたい人に向いています。ユニは価格を抑えつつ基本の硬度を揃えやすいので、練習量が増えやすい初心者にも取り入れやすい選択肢です。マルス ルモグラフは線の再現性や折れにくさが特長として紹介されており、輪郭や面の整理を重視する人にもなじみやすいでしょう。

比較しやすいように整理すると次の通りです。

メーカー 主な特徴 硬度展開の例
ハイユニ なめらかな描き味 幅広い硬度 10H〜10B
ユニ 手頃で揃えやすい 9H〜6B
マルス ルモグラフ 線の再現性 折れにくさ 9H〜9B中心

また、ステッドラーにはマルス ルモグラフ ブラックもあり、公式情報ではカーボンを多く含む配合で、マットで深い黒を出しやすいと案内されています。通常のグラファイト鉛筆よりも黒さを重視したい場合には、この系統が合うことがあります。

選び方としては、まずは入手しやすく単品で買い足せるメーカーを選ぶのが無難です。デッサンは継続して使う道具なので、描き味だけでなく、後から同じ硬度を補充しやすいかどうかも見ておきたいポイントです。

デッサンの鉛筆の濃さ順番の要点まとめ

  • デッサンの鉛筆はHBを基準にすると濃さ順番を覚えやすい
  • B系へ進むほど柔らかくなり黒さが出しやすくなる
  • H系へ進むほど硬くなり薄く締まった線を作りやすい
  • ハイユニは10Hから10Bまで22硬度を展開している
  • ユニは9Hから6Bまで揃い基礎練習用にも選びやすい
  • 初心者は2B HB 2Hの3本でも硬度差を十分に体感できる
  • 本数を増やすなら2H HB 2B 4Bの4本構成が扱いやすい
  • すべてを揃えるより少数の硬度を使い分けるほうが学びやすい
  • 形取りではHB F H 2B付近の中間硬度が使いやすい
  • 陰影づくりではB 2B 3Bあたりが中心になりやすい
  • 最暗部を作るときは筆圧より柔らかい硬度へ替える発想が有効
  • 仕上げではHや2Hで明部や輪郭のキワを整えやすい
  • 柔らかい鉛筆だけだと画面が黒ずみやすく締まりを失いやすい
  • 硬い鉛筆を強く使うと紙の繊維を傷めて修正しにくくなる
  • メーカーごとの描き味も異なるため継続購入しやすさも大切
  • デッサンの鉛筆の濃さで順番を理解すると使い分けの判断が速くなる

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